「ウェブ上のことをまんま信じてしまう人間は,リアルでもNHKで云ってたから,朝日新聞に書いてあったから,などと云うことが多い。ネットワークで生きている人間なら,NHKや朝日新聞の報道など個人のブログと同じ信用度で接しているはずだ。そうでなければ,生きていけないのだから」。
quote:フリーのオンライン百科事典,ウィキペディアは2001年に誕生して以来,蓄積された項目は110万以上になっている。ウィキペディア・コミュニティに参加する人なら誰でも記事を執筆でき,ほかの人の記事を編集することもできる。結果,記事の正確さは参加者の自己管理的な性質によって保たれることになる。馬鹿げた記事を書いたり,他人の記事を台無しにするメンバーに悩まされることもあり,解決方法を探っている。
「昔からなんでも,自分でやるのがいちばんだと思っている。もちろん自分にできないことがあるのはわかっている。絵やイラストを描くのは苦手で,やっても人にみせられるものにはならない。だからそんなのは人に任せてしまった方がよく,尊敬してそれを受け入れられる。だがほかの自分でできることは,なんでも自分で行った方がよい。それによってなんの不満も感じずにすむし,自分の望む最上のものにできる。そう思い続けてきて,いまも変わらない。
だからわたしのような人間がウィキペディアに参加するのは,あまりよいことではないのかもしれない。実際に参加しているわけだが,ある面では他者と共同作業にならないよう注意をしている。それできちんと責任を負って,作業を行える。自己中心的と云われるかもしれないが,ネットワーク上ではその方が安全なのだ。一般の人のなかには,ウェブに書いてあることをなんでも本当だと信じる人もいるようだが,それはとてつもなく危険な行為だ。本当かどうかを見抜くのは自分でしかなく,それ以外に信頼できるものなどない。ネットワーク上で生きるなら,その点で究極的に自己中心的になるのが正解だ」。
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